メンバー便り

抹茶、ときどき妖怪の涼

8月22日、茶道裏千家鹿児島青年部主催の茶道講演会に出席した。この日は錦江湾花火大会も予定されていたが、桜島の噴火警報で中止になった。

その折、籃胎漆器の丸盆にのせたお抹茶と菓子をいただいた。抹茶碗の内側には桜島が描かれていて、裾野が緑に覆われたような景色にひととき涼をえた。本物の桜島は、ものすごくたぎっているはずだが。

かたわらには、真っ赤なほおずきをあしらった主菓子(おもがし)。ほおずきといえば、浅草寺のほおずき市が7月9日・10日に立つ。夏の季節が添えてあった。

個人的には抹茶といえばやはりこれなのだが、世間ではむしろお菓子や料理のほうが知られるようになった。鹿児島市の天文館にあるドン・キホーテでも、1階の目立つ場所に、抹茶味のお菓子がずらりと並んでいる。

翌日は、宮崎県総合博物館で開催されている「今昔、日本の妖怪」展と、その講演会に参加した。帰りに市内の「茶月譚」という台湾料理を出すカフェで、芋餅やタピオカの入った台湾かき氷の抹茶味を頼んだ。しかし、そもそも台湾スイーツに抹茶味ってあっただろうか。その場でネット検索したところ、どうやらオリジナルにはないらしい。こんなところにも抹茶が進出していたことに感心してしまった。

お抹茶とお菓子

桜島を描いた碗で出されたお抹茶と、ほおずきをあしらったお菓子。お盆は竹籠に漆塗りの籃胎漆器。

台湾かき氷、抹茶味

宮崎の台湾かき氷、抹茶味。右は芋のお餅、正面は黒いタピオカ、左は小豆。680円也。

宮崎のチキン南蛮

宮崎のチキン南蛮人気店の一皿。4色のソースがかかっている。

抹茶ロール

東京・目黒雅叙園内のカフェの抹茶ロール。たしか1000円くらいした。

今、東京で流行っているらしい台湾スイーツが、宮崎ですでに去年から人気となっていたことにもちょっと驚いた。鹿児島ではまだ登場していないようだ。「しろくま」というかき氷の横綱があるから進出しにくいのかもしれない。

この日の昼食は、宮崎で人気No.1であるらしいチキン南蛮のお店に行った。鹿児島にはランキングするほど店はないから、発祥の地ならではの食文化といえるのだろう。タルタルソースが4色もあった。一瞬、緑色は抹茶かと思ったが、わさび味とのことだった。ピンクは梅味、黄色はカレー味。これも独自の進化だろうか。ちなみに私はオリジナルにした。

展覧会では「口裂け女」に出会った。出会ったというのは、展示物に「口裂け女像」があったのだ。子供の頃に大流行していて、学校の周りに現れるといって、帰るのがほんとうに怖かった。しかし、出会ったことはない。それがリアルに現れたのだから冷えた。

すっかり忘れていたが、彼女は鎌を持っていたらしい。講話によれば、山梨県で出現したという。「私きれい?」と聞かれ、「きれい」と答えても、「ブス」と答えても追いかけられる。「まあまあ」というと追いかけてこないという説もあったらしい。

学校の怪談は現代でもたくさん出現しているそうだ。全国で話題を共有できる学校を舞台に、ひと気のない学校の雰囲気に対する子供たちの不安感が怪談を生み出すらしい。

口裂け女像は“写真撮影可”としてあったが、気が進まなかった。

(薩摩伝承館 深港恭子)