メンバー便り

有田のワークショップ

2016年は有田焼創業400年を迎える。日本初の磁器(白磁)は、有田で1610年代に誕生した。なぜ2016年かといえば、泉山で白磁の原料が発見されたのが1616年と伝わっているからだ。

ヨーロッパで磁器を初めてつくったのはドイツのマイセンで1709年のこと。日本は100年も早いのだから、ここは強く誇れる。でも世界一早かった中国は北斉時代(550‐577)には開発してしまっているので、まったく桁外れだ。

余談はこれくらいにして、去年から始まっている2016年に向けたプレイベントで行われていたメディアアートとのコラボワークショップはなかなか面白かった。

1つは、有田焼は限られた形の中に美しさを凝縮させた焼き物だが、それを解き放ってしまおうということがテーマらしい。

あらかじめ用意された皿から好みのものを選んで専用のテーブルの上に乗せると、その器の色と絵をイメージさせる映像がテーブルと四方の壁に投影されていく。とくに器を起点として徐々に拡散しながら展開していくのは印象的だった。皿をいくつか乗せると次々に感応して、交響曲を奏でるようにめくるめく物語として展開する。

私が選んだ青地に白鷺を描いた皿からは、鷺が羽を広げて飛び立ち、別の皿から発した黄色やピンクの花々のある世界を優雅に飛んだ。世界はだんだん赤色へと変化し、やがて夜空のような深い青色の世界へと羽ばたいていった。という感じだった。

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2つめは、皿にあらかじめ用意された絵柄のパーツをはめ込んで、デザインしようというもの。これは以前、東京のサントリー美術館で体験したことがあるので、そちらからのレンタルだったようだ。

iPadを指で操作してつくるので、あっという間に自分デザインの皿ができる。サインを入れると完成し、それが壁面に映し出されて公開されるという仕組み。

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2つとも、メディアアートとコラボすることによって伝統的な焼き物に親しみやすく触れてもらうのが目的なのだろう。自由に参加し簡単に体験できることもあって、来観者に大人気だった。手を汚さないというのも、実は気軽に参加する秘訣だったかもしれない。

(薩摩伝承館 深港恭子)