活動内容

奄美国際ノネコ・シンポジウムを開催しました(後半)

シンポジウム後半は、奄美大島に住む5人のパネリストが登壇して「奄美の明日を語る」パネルディスカッションが行われました。コーディネーター役は鹿児島環境学研究会の星野一昭特任教授。

パネルディスカションの登壇者

パネルディスカションの登壇者

シンポジウムには、大勝小学校5年生のほかたくさんの方に参加いただきました

シンポジウムには、
大勝小学校5年生のほか
たくさんの方に参加いただきました

 

9年前にカフェを開店した久野優子さんは、野良猫の多さやネコにとっての悲惨な状況を目の当たりにして、野良猫の避妊去勢やネコの適正飼育の普及啓発などの取組を開始し、昨年夏に活動団体「奄美猫部」を設立した経緯に触れながら、官民が同じ方向を向いて協働作業でネコの様々な問題に取り組む必要性を強調しました。

科学的な根拠に基づいて奄美の希少な野生動物の保護を訴えてきた奄美哺乳類研究会の阿部優子さんは、山裾の集落では飼い猫や野良猫がノネコと同じように希少動物を捕食している可能性を指摘し、ノネコ問題解決には時間的余裕がないことを踏まえた早急な対策が必要であると行政関係者に強く訴えました。

しーまブログの運営を通じて島の情報発信に努めている深田小次郎さんは、ノネコ問題の重要性を認識して、この問題の発信に取り組みたいと思い、関心のない人にいかに興味を持ってもらうか、双方のやり取りによって人を巻き込む大切さといった観点から、集落のネコの写真を撮って名前を付けてみんなで管理するための「ネコアプリ」を提案しました。

奄美猫部部長 久野優子さん

奄美猫部部長
久野優子さん

奄美哺乳類研究会代表 阿部優子さん

奄美哺乳類研究会代表
阿部優子さん

しーま代表 深田小次郎さん

しーま代表
深田小次郎さん

大島高校1年生の久保駿太郎君は、奄美大島の野生動植物を調査している生物クラブの活動でノネコ問題を調べ、現状を変えなくてはいけないと強く感じたことを報告。ネコを悪者扱いするのではなく、ペットとして共生できるようにみんなで考える環境づくりをしていきたいと述べました。また、世界自然遺産登録に関しては、登録の前に観光客増加など予想される事態への対策をとっておくべきと大人たちに苦言を呈しました。

20年以上前に奄美大島に移住した愛猫家でもあるピアニスト/作曲家の村松健さんは、移住当時にネコが似合う島との印象を受けたことに触れ、ノネコ問題はネコを愛している人がネコとどう付き合うかが問われている問題であるとして、ネコ好きの愛情を良い方向に向けることが重要であると述べました。また、奄美の未来を考える際に「島特有(固有)の」で終わらせずに、何がどのように特有(固有)で貴重なのかについて理解を深めることの重要性を指摘しました。

コーディネーターは、パネリストの議論を受けて、地域がノネコ問題、野良猫問題そして飼い猫について考える仕組みを作ることの重要性を強調し、例えば、地域ぐるみで集落のネコを調べ、見守る取組を行うこと、今後開発されることを期待して「ネコアプリ」を活用すること、ネコ好きの方の協力が得られる方策をみんなで考えていく必要性を指摘しました。鹿児島環境学研究会としてもこうした取組を一緒に考えていきたいと述べ、パネルディスカッションを締めくくりました。

 

鹿児島県立大島高等学校1年生 生物クラブ 久保駿太郎さん

鹿児島県立大島高等学校
1年生 生物クラブ
久保駿太郎さん

ピアニスト 作曲家 村松 健さん

ピアニスト 作曲家
村松 健さん

鹿児島大学 鹿児島環境学研究会 星野一昭特任教授

鹿児島大学鹿児島環境学研究会
星野一昭特任教授

 

最後に、グレン博士、環境省、鹿児島県から一言ずつ発言があり、予定の3時間を30分ほど超過してシンポジウムが終了しました。

 

ニュージーランドのアル・グレン博士

ニュージーランドのアル・グレン博士

鹿児島県環境林務部自然保護課 長田 啓課長

鹿児島県環境林務部
自然保護課
長田 啓課長

司会を務めた鹿児島大学奄美分室 福澤文香さん

司会を務めた
鹿児島大学奄美分室
福澤文香さん

本シンポジウムの詳細は、
「奄美国際ノネコ・シンポジウム記録集」にてご覧いただけます。